膠原病の現状

膠原病というと、

原因が不明で治療法のない「難病」というイメージが強いようです。

日本では膠原病とその関連疾患の多くは、

厚生労働省によって特定疾患(いわゆる「難病」)に指定され、

公費補助対象疾患とされています。

しかし、近年の医学の進歩によって、

膠原病の生命予後は大きく改善しました。

残念ながら、依然として治療法は確立していないので、

死亡率が高いのと、重い障害を残すような難治性の症状が

クローズアップされています。

難治性病態としては、

全身性エリテマトーデスの重症腎障害、中枢神経症状、肺胞出血、

強皮症の内臓臓器病変、

ステロイド抵抗性筋炎、

膠原病に伴う間質性肺炎や肺高血圧症、

結節性多発性動脈周囲炎やウェゲナー肉芽腫症などの全身性血管炎、

劇症型抗リン脂質症候群、

難治性のリウマチやアミロイドーシスなどがあります。

膠原病の治療によって誘発される副作用もあり、

ステロイド薬による

骨粗鬆症、日和見感染症、糖尿病、大腿骨頭壊死症、動脈硬化症の誘発や、

免疫抑制薬による感染症、悪性腫瘍の誘発などが問題となっています。

膠原病の本当の原因は、

いまだ完全には分かっていませんが、

膠原病の発症メカニズムが次第に解明され、

このような知見に基づく新しい治療薬や治療方法が開発されています。

膠原病のより根本的な原因や病態に対処する有効な治療法が確立されれば、

膠原病の生命予後と生活の質(QOL)はさらに向上することが期待されるところです。

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