膠原病とは、
病理学者クレンペラーが1942年に提唱した新しい病気の名称です。
全身の複数の臓器に炎症が起こり、
臓器の機能障害をもたらす一連の疾患群の総称として名づけられました。
長い間、病気は特定の臓器が障害されて起こるとする「臓器病理学」の考えが中心で、
病気の診断は臓器の病変に基づいて行われてきました。
クレンペラーは、
全身性エリテマトーデスのように多数の臓器が同時に障害され、
どの臓器が病変の中心であるのかを特定する事が出来ない病気があることに気づき、
綿密な病理組織学的研究から全身の「結合組織」と血管が病態の主座であり、
しかも「フィブリノイド変性」という病理組織学的変化が共通して見られることを
発表し、このような疾患群を「膠原病」(Collagen Disease)と命名しました。
膠原病の考え方は、
以後様々な批判と新しい知識が加わりながらも
基本的には大きく変わることなく現在に広く定着しています。